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漢方薬って何ですか?

ぱんだ先生

漢方とは何か?

漢方とは、中国医学に基づいた伝統的な医療法です。漢方は、人間の体を陰陽や五行という概念で分類し、気血水(津液)という三大要素で説明します。漢方は、気血水(津液)のバランスを整えることで病気を治したり予防したりします。では、漢方の歴史や特徴、考え方や分類などを紹介しましょう。

漢方の歴史

漢方の歴史は古く、紀元前にまでさかのぼります。最初の医学書とされる『黄帝内経』は、紀元前2世紀頃に編纂されたとされます。この書では、陰陽や五行という思想が初めて医学に導入されました。また、脈診や鍼灸などの治療法も紹介されました。

その後、漢方は中国の歴代王朝や文化に影響を受けながら発展していきました。代表的な医学書としては、『傷寒論』『金匱要略』『本草綱目』『温病論』などがあります。これらの書では、病気の原因や診断法、治療法や薬物などが詳しく記述されました。

漢方は中国だけでなく、日本や朝鮮半島などにも伝わりました。日本では奈良時代に唐から伝えられたとされます。平安時代には貴族や僧侶に広まりました。江戸時代には庶民にも普及しました。明治時代以降は西洋医学が導入されましたが、漢方も一部で根強く残りました。

現代では、漢方は西洋医学と併用されることが多くなりました。また、世界的にも注目されるようになりました。世界保健機関(WHO)は2002年に伝統医学戦略を発表し、伝統医学の保護や発展を促しました。日本でも2003年に保険適用範囲が拡大されたり、2017年に厚生労働省が漢方医療推進計画を策定したりしました。

漢方の特徴

漢方の特徴をご紹介します。

  • 漢方は全体論です。人間の体を部分ではなく全体として捉えます。また、体だけでなく心や精神も考慮します。
  • 漢方は個別論です。人間の体質や状態に合わせて治療します。同じ病気でも人によって原因や症状が異なることを認めます。
  • 漢方は自然治癒力を重視します。人間の体には自然治癒力があると考えます。漢方はその自然治癒力を高めることで病気を治します。
  • 漢方は予防医学です。病気になる前に予防することを重視します。漢方は体質を改善したり、気血水のバランスを保ったりすることで予防します。

漢方の考え方と分類

漢方の考え方と分類をご紹介します。

  • 漢方は陰陽と五行という概念で人間の体を分類します。陰陽とは相反する二つの原理で、陰は冷やすや静止するなどの性質を、陽は温めるや活動するなどの性質を表します。五行とは木火土金水の五つの要素で、それぞれに生理的な機能や臓器が対応しています。
  • 漢方は気血水(津液)という三大要素で人間の体を説明します。気は生命力や活動力を、血は栄養や滋润を、水(津液)は水分や代謝を表します。気血水(津液)は互いに影響し合い、バランスが崩れると病気になります。
  • 漢方は八綱弁証という方法で病気を診断します。八綱弁証とは、陰陽・表裏・寒熱・虚実の四つの対立する概念の組み合わせで、病気の性質や程度を判断する方法です。例えば、陽表証とは、外邪が体表に侵入した状態で、発熱や頭痛などが起こります。
  • 漢方は四診法という方法で体質を診断します。四診法とは、望診(外見や舌などを見る)、聞診(声や咳などを聞く)、問診(症状や生活習慣などを聞く)、切診(脈や手足などを触る)の四つの方法です。四診法によって、体質は大きく虚実と寒熱に分けられます。
  • 漢方は生薬によって治療します。生薬とは、動物や植物や鉱物などから作られたもので、性質や味があります。性質とは冷やすか温めるかということで、味とは甘味や辛味などのことで、それぞれに作用があります。薬物は単品ではなく、複数の組み合わせで用いられます。

以上が漢方についての基本的な知識です。漢方は古くから伝わる医学方法ですが、現代でも有効性が認められています。漢方に興味がある方はぜひ試してみてください。

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